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海外チャレンジ

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コーチ海外帯同レポートinイタリア

 

今夏GA15academyU14 のイタリア遠征に川上Cが帯同し、選手たちの指導に当たりました。

 

【チームレポート】

1)サッカー面

◆球際

入団当初から球際の練習を1番積み重ねたことにより、守備での1vs1のぶつかり合いやルーズボールでのぶつかり合いで逃げることなく戦えていたのではと思います。イタリア人コーチ達のクリニック時には「小さいのに身体をぶつける癖が素晴らしい」と褒められました。ただ足先のみで球際を戦おうとする癖のある選手は球際での勝率も低かったですし、闘えていませんでした。戦える選手を育成するためにもより低年齢から球際でのトレーニングを積み重ねるべきだと思います。

 

◆技術

ボールフィーリングにおいてはイタリアの選手たちと比べると素晴らしいものを持っていると思います。しかしボールフィーリングが何も意味をなさないと言っていいほどボールを奪われる回数が多かったです。細かいタッチも大切ではありますが、タッチの先に目的は何かを指導者が常に伝える、またはボールタッチのみの練習にならないようにトレーニングの条件を設定するべきだと思いました。イタリアの選手たちは方向性を持ったタッチができていたと思います。

技術面で最も差があるのはキックだと思います。GAの選手たちはボールを蹴る技術が乏しいと思いました。特にゴール前でキック技術の欠如が差となって出てきました。シュート技術もそうですが、ゴール前に入れるボールの質の低さが決定率の低さにつながっていると思います。(総決定率25.6%)ゴール前でのGKとの1vs1を外すシーンも目立ちましたが、シュートを打つ瞬間にどんな状態でもボールにミートさせて打ち切ることができないと思いました。私もスクール等で小学生年代には関わりますが、ボールを蹴ることが相手のいる中で増やすように取り組まないといけないと思いました。これはジュニアユース年代でも同様だと思います。

 

◆攻撃

今回の遠征では最初の1週間は試合がなかった為、チームとしてのプレースピード向上を目的にビルドアップの部分で戦術的なトレーニングを繰り返し、選手たちには“判断”よりかは“選択”させるように指導していきました。選手たちから“判断”をする機会を奪うことはマイナスなイメージではあるが、プレースピードを速くすることを体験させるためにいくつかの選択肢の中から攻撃でのプレーの選択と決断をしてもらいました。イタリアの選手は状況に合わせた即興の判断ではなく、決められた状況の中でプレーを選択し、決断と実行を繰り返しているような印象でした。今までに経験してきた現象に似たプレーを繰り返したり、チームとして狙いを引き出すための動き出しや選択を繰り返していました。イタリアの選手たちはプレシーズンが始まったばかりでしたが、レベルの高いチームほどチームやグループでのビルドアップやフィニッシュのパターンが多く、プレースピードも速い印象でした。やはりプレーするための選択肢の引き出しが多いように感じました。単純な身体能力の高さを感じる場面もありましたが、プレーの選択肢の多さやプレーの経験がイタリアの選手たちのプレースピードの速さにつながっていると思いました。

 

◆守備・切替

個々のアプローチスピードやボール保持者との距離感、オフザボールでの守備(マークとカバー)と1人~4人の中でのボールを奪う部分、攻守の切替をこの学年は強調されてアカデミーに入団から今まで言われ続けてていたと思います。その成果は少し出たのではと思いました。球際の部分にも重なりますが、ボールへのアプローチは相手の体格を恐れずに寄せられていたと思います。ボールを奪うことに関してはアプローチの距離が良ければ、ボールを奪えていました。しかしプレスがはまらず、相手に縦パスや前進されるようなボールをつけられると簡単に自陣ゴール前にボールを運ばれていました。プレスバック・ボールを蹴られる時の予測・ポジショニングが今後の改善点だと思いました。また攻守の切替に関してはフットサルコートでトレーニングを重ねている効果があり、特に攻撃→守備への局面では即座にボールを奪えていたと思います。身体能力がそこまで高くない日本人が身体を大きく強くすることも大切だと思いますが、それと並行して日本人の俊敏性や勤勉さを活かして、切替の局面での速さで試合を支配できることを今回の遠征で感じました。

 

◆フィジカル

アカデミーでは2016年よりTR終了後にお弁当を配布しております。その成果もあり、イタリア人選手に比べて小さいながらも吹き飛ばされずに戦えていたと思います。また怪我により遠征期間中をリハビリに回る選手ほぼ出ませんでした。お弁当システムも含めた普段の身体づくりの成果だと思います。しかしフィジカル的な強さは身体的な成長と正しいアプローチがあれば選手たちのフィジカルが強化されていくが、身体を上手く扱う・動かすなどのコーディネーションの部分は課題であると思いました。遠征序盤で行ったイタリア人コーチによるクリニックの中で、イタリア人トレーナーからフィジカルコンタクトは評価されたが、コーディネーションの部分が弱いと言われました。特に股関節の動きと上半身の姿勢の悪さを指摘されました。股関節に関しては可動域の狭さを指摘され、より自由に動けるようになるとキック力や足の速さにつながると言っていました。イタリア人選手たちを観ていると、育成に定評があるクラブほど強さはあるものの日本の子どもに観られるクラムジーみたいな動きのぎこちなさなかったような印象でした。動きのぎこちなさを解消するためにも中学生年代でもコーディネーショントレーニングの必要性を感じました。

 

2)生活面

◆食事

長い滞在期間の中でコンディションを整えるために食事は大切であるが、慣れないメニューや食材に苦しむ選手が多数いました。それに加えて苦手な食材・メニューの種類が多い選手が多く、ビュッフェスタイルのホテルでは指導者側から食事のことに関して指示がないかぎり、フラドポテトやフリット(日本でいう天ぷらに近い)などのジャンキーで食べやすいもののみを食事する選手が多かったです。普段の食事から改善する必要があると思いました。「油ものを少なくすること・肉の種類をこだわること」ではなく、好き嫌いをなくすこと・バランスの良い食事が必要だと思います。特に好き嫌いに関して、慣れない食事が続く中で食べられないものが多いと食生活でのバランスが取れなくなり、コンディションを崩し、ピッチ内でのパフォーマンスが落ちる選手もいました。海外でのプレーを目標に持つ選手であれば、現地での適応が必要であると思います。言葉・風習・食事・気候など日本との違いに苦しむことがあると思います。しかしなるべく現地に行ったときにストレスを抱えない為にも食事面では普段から苦手なものをなくして、楽しめるようになってほしいなと思います。

 

◆メンタル

今回の遠征で日常生活での意識が個々に異なり、遠征期間での成長もメンタル面も含めた日常生活に差があったかと思います。歩けばコンビニがあり、スーパーがあり、電車に乗っていても犯罪に合わず生活でき、自分が困っていれば家族や友人が助けてくれたり、と治安が良く、安全で不自由のない日本を離れた生活は選手たちにとって負担が重かったと思います。特に他人に生活のコントロールを任せてしまう選手はメンタル的な不安定さがピッチ内外に見られました。例えば部屋の整理整頓をできずに鍵を紛失し、探し回ったり、見つかったものの、その間に行われていた練習や試合に集中力を欠き、良いパフォーマンスを発揮できずにいました。鍵をなくした原因を作った選手ほど、整理整頓ができず、試合でのパフォーマンスも安定して良いものではありませんでした。自分自身で生活のマネージメントしなければならない中、サッカーと同様で練習ではコーチや監督がピッチの中に入り、指示を聞きプレーできるが、試合では練習などで学んできたものを自分で判断する環境で、自分で行動できない選手は思い通りにいかず、イライラしたり、メンタル的に沈んでいきました。日本にいても「自主自立」とは言われるかもしれませんが、親元を離れて長期の海外生活が続きとより、自立しているかどうかが見えてきます。その部分がプレッシャーのかかる場面でよりプレーのパフォーマンスの良し悪しにつながってきます。選手たちに聞く耳を持たせるように指導者側から言葉を選び、伝えていくべきだと思います。

 

以上