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コーチ海外帯同レポートinイタリア

4/15~4/24の期間でU12 ゴールアシスト選抜イタリア遠征(モンティカティーニ)に寺本Cが帯同しました。

 

【チームレポート】

◆球際

毎年感じている事ですが体格差もあって球際の攻防を制することが難しいです。それは指導法のヨーロッパと日本での違いも影響しているかもしれません。イタリアやドイツではU8やU10の年代で飛び込んで交わされる事に対して日本のように「一発で交わされるな」などと強く指摘している指導者をあまり見かけません。ただ、1対1の守備の場面でボールを奪いに行くことは要求しています。その守備の状況(カウンターを受けていたり)にもよりますが、基本的には守備の場面で後ろに下がって相手に抜かれないようにするよりも、ボールを奪いに行くこと、ボールへアタックしてマイボールにすることを海外では強く要求しています。あとは日本でいう「戦えない選手」としてトニー・クロースはドイツでは言われていたりしています。

 

◆技術

ボールを扱う技術はあると日本人はヨーロッパでは言われています。では大会でドリブル突破やパスを繋いでコンビ-ネーションで崩せたのか?答えは残念ながらノーです。サッカーは総合的な能力が問われます。特にこの年代で身体的な成長が早い選手はとても有利です。では、そのような体の大きな選手には勝てないのでしょうか?それは戦い方次第だと思います。確かにこの大会9人制を勝つために最低2人はフィールドプレイヤーで大きな選手が必要だと思います。なぜなら空中戦での勝率も勝敗へ大きく与えるからです。あとボールキープももちろん体格があれば有利です。したがって、我々は技術レベルの高い小さい選手(ドリブルやパスが得意な選手)をスペースのある状態でボールを持たせ、相手の意表を突いてチャンスメイクさせるなどということを考えなければならないと思います。

 

◆攻撃・守備・切替

プレッシャーが緩い環境では自分たちの狙い通りゴールまで持っていけるシーンがいくつかありました。なので、プレッシャーが早い環境でどれだけ正しい判断を持って質の高いプレーが出来るかが重要です。これは「球際」のところと共通するのですが、まず守備の場面で交わされる事を恐れるのではなく、アクション的な守備である必要があると思います。例えば、ボールを保持して前線で人数をかけて攻め込んでいた場合にボールを失ってしまったのであればもっと早くそのボールを持っている相手へボールを奪い返しにチームで行く必要があると思います。なぜなら、この時は相手選手もポゼッション準備が整っていないのでピッチを広く使えてないため奪い返しやすいですし、何より周りの状況を確認する時間を与えないことが大事です。なのに、ボールにアタックへ行かず、寄せるだけで選手は体格の大きい相手とのぶつかり合いを恐れてかボールをキープされる事が多かったです。

相手のミスからマイボールになったとしても、そのボールをゴールまで運べない状況が多かったです。なぜゴールまで運べないのか?原因は大きく3つだと思います。

 

1.パスコースがない。

2.周囲の状況が把握できていない(前もって周りを見ていない)。

3.一対一でのキープ力がない。

 

◆総括

サッカーは個人の力があって、その力を上手く引き出せるフォーメーションやチーム戦術のもとで強いチームが成り立っていると思います。

今回参加した選手たちは肌で世界の選手との違いを感じたと思います。その中で我々も選手たちがなんとなく分かっていた自分たちの課題を言語化し伝え、選手は気づけなかった戦術的な差なども話をさせて頂きました。

この小学生という年代で海外へ行き強豪クラブと対戦する事は本当にいい経験だと思います。なぜなら、実際に対戦することで今後このような場所を目指すためには自分は何をすべきか気づけたと思います。これからの選手たちの飛躍をコーチたちは心から願っています。

 

少し長くなりましたがここまで読んで頂きありがとうございました。

そして何より選手へ貴重な機会を与えて頂いた保護者の皆様本当にありがとうございます。目には見えないかもしれませんが、選手たちのこの経験は今後の成長に必ず役立つものだと思います。